どうも、僕です。
多少時期外れですが、ペルソナ5ザ・ロイヤルのレビューを書いて行きます。
ネタばれは控えますが、追加要素がどういうものであるかはこの下に明記します。
(無印版のプレイ時間は170時間以上、トロコンしています)
初めにざくっとした評価を書きます。
5点満点中で言うと、3.5点です。
まずP5Rですが、「追加要素の加えられた本編」+「三学期の新シナリオ」という構成のゲームになっていますので、もともとの本編だったストーリーに手はほとんど加えられていません。
それを踏まえた上で、レビューしていきます。
良かったところ→「追加要素の加えられた本編」
やっぱり面白かったです、ペルソナ。
無印で十分に面白かった本編が、ロイヤルでさらにパワーアップしてました。
なぜなら追加要素、そしてシステムの改変があったから。
まず大きなところからで言うと、時間が増えた。
これが大きいかなと思います。
無印版をプレイした事のある人なら分かると思うけれど、ストーリーが進行する日って絶対にモルガナが「今日はもう寝ようぜ」って言ってきたわけじゃないですか。
なんとロイヤルでは、あれが極端に減ります。
ストーリーが進行しても、夜には行動できるという日が物凄く増えた。
無印版ほど時間に気を配らなくてもコープだったり色々進められるようになりました。
これがすごく良かった。
さらに言うと、クロスワードパズルの時間消費がなくなりもしました。最高。
続いては電話イベント。
これがまたとても大きい。
コープイベントが発生してコープランクが上がると思うんですけど、ロイヤルではその後、ちょうど主人公がルブランに帰宅したところで、経った今コープを上げた相手から電話が掛かってきます。
電話の内容は直前のコープイベントに関するもので、「あの後冷静になって考えてみたんだけど……」というような感じで始まったりします。まあ色々あります。
この電話イベントは好感度を上げられる選択肢が必ず一つ含まれるため、イベント本編の選択肢をやらかしまくった時にカバーできるのも大きいです。僕はかなり助けられました。
電話イベントは確率発生ではなく、おそらくコープランクによって発生か否かが決められているので、全てのイベント後に起きるわけでないです。
恋人関係になった直後の電話イベントは最高でしたよ……はい。
そして最後はメメントスの追加要素。
メメントスにジョゼという謎のキャラクターが追加されており、彼がまあ色々とやってくれます。
メメントス内に落ちている専用アイテムを拾うと、数に応じて様々なアイテムと交換してくれるショップを開いていてくれたりとか。
各フロアに置いてあるスタンプ台でスタンプを集めると、それを消費することでメメントスで得られる経験値やお金、アイテム取得数を増やしてくれたりします。これの経験値倍率がわりかし壊れてて、レベル上げがびっくりするほど簡単です。
後はランダムでメメントスのフロアに異変があったりします。これがなかなか面倒でもあり面白かったかなと。上手く使えば美味しい異変ですね。
まだまだ追加変更要素はあります。
例えば本編のパレスにも結構あって、微妙にマップやギミックが変わっているとか、「イシ」というボスアクセサリーを作るために必要なものが散りばめられているとか……はたまたボス戦が今までと異なるとか。これも本当に色々あります。詳しくは語りませんが、これのおかげで本編を改めて楽しむことができるかなと。
さらには本編ボイスが結構増えていました。無印版だとテキストだけだった部分に、きちんと声が当てられています。これは純粋に嬉しい。
後は新ロケーションの吉祥寺かな。昼と夜で雰囲気どころか開いてる店も違うので面白かった。
無印版が16年の9月15日に発売されて、そこから数ヶ月の間、とにかく夢中になっていたあの時間が、今回ロイヤルの発売でまた体験できたかなぁ……という印象。ものすごく良かったです。
と、言っておきながら、ここからは下は辛口になりやすのでご了承を。
「痛快ジュブナイルRPG」とは何だったのか?
さて、ここまではいいところを挙げてべた褒めしましたが、ここからはそうはいかない。
追加シナリオのお話ですね。
無印版ではあっという間に過ぎ去った三学期に、新しく本編シナリオが追加されました。
ここにきてようやく、ロイヤルで追加された新キャラクター「芳澤かすみ」ちゃんのお話になってきます。
ネタバレは控えますが、とにかくいいたいことは一つです。
見出しにも同じようなことを書きましたが、
「痛快ジュブナイル活劇ってなんだったんだ?」
という印象。
それぐらい、それまでの本編とは全く雰囲気が変わってしまいます。
追加シナリオのどこをとっても痛快要素はなく、むしろ予告状を渡すシーンに至るまで全体的に怪盗団がナヨナヨするという(個人的に)最悪の始末。
今まで腐った大人相手に全力で挑んできたからこそ、その熱量にこちらは感情移入させられて、ボス戦では「こいつ絶対ゆるさねー!」という強い正義の心がキャラとプレイヤーでリンクしていたはずなのに、追加シナリオではそれがなく、あくまでも僕の場合ではありますが、結局最後の最後まで気持ちが乗っかることが無かった。演出や展開は熱いのに、気持ちが乗ってないので他人事になる。
別にクオリティが低かったわけではありませんでした。むしろ高かったと思います。無印版のラスボスのスケールをどう超えてくるんだろうというところでの「あぁなるほど」と納得するぐらいには、全体的に力が入っていたと思います。
じゃあ問題は何かと言われたら、それは「テーマ」だと思います。
追加シナリオで扱うストーリー自体のテーマが、そもそもペルソナ5で扱うべきではなかったと僕は思います。少なくとも怪盗団にぶつけるテーマではなかった。
他のゲームでも絶対に同じことが出来た、と僕は確信を持って言えます。
それくらい、本来のペルソナ5が持つ「痛快」とはかけ離れた内容であったかと。
そこで、エンドロールを見ていたら発見してしまったんですよね。
無印版とディレクターが違うことを。
ディレクターとは要は監督のようなもので、そこに座る人が違えばもちろんゲーム全体に影響を及ぼします。無印版はP3、P4を手がけた橋野桂さんでしたが、ロイヤルでは別の方でした。
とはいえその新しいディレクターさんが力量不足であると批判するつもりは全くありません。
ただ言いたいのは、「もっとP5を大切にして欲しかった」ということ。
追加シナリオにおいて、もはや怪盗要素は皆無でした。
パレスのデザインも、オタカラも、動機も、何もかもが怪盗団ではなかった。
ああいうテーマを扱いたいのであれば、他に適切なゲームがあったはずです。
なぜペルソナ5でやったのか?
貴方がやりたいことを、他人の作ったゲームに乗せるのはあまりにも傲慢なのでは?
正直、追加シナリオ分だけだったらクソゲーと吐き捨てていました。
でも、それでは勿体無いぐらいのクオリティだったのです。だから悔しいし、悲しい。
逆に神ゲーかと言われたら、絶対にそれは違う。少なくとも本来見たかった怪盗団を描いてくれなかった時点で、それはありえない。
だからこそ「モヤっとする」のです。
まとめ:これが完全版と公式に言われるのは流石に辛すぎる。
辛いです、本当に。
ロイヤルってつまり、
「A監督が作った大人気映画に、B監督が別で作った後日談をくっつけたもの」
だと思うんですよね、個人的に。
それを「これが完全版です」って言われるのはA監督の映画好きだった人にとってはかなりの冒涜なんじゃないかなーとさえ思うのですが、どうでしょう。
以上の理由から、3.5点であり、モヤっとするのです。
近々P5Sの発売がありますが、あちらはどうなんでしょうね。
別に今回の件でアトラスさんに失望したわけではないです。期待は今後もし続けます。
ただ、ロイヤルに関しては辛かった……というお話。
ペルソナ5 ザ・ロイヤル公式サイトはこちら
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