どうも、僕です。
今回はあのメタルギアシリーズで有名な小島秀夫監督が、独立して初めて製作されたゲーム、「デスストランディング」ついてレビューしていきたいと思います。
ネタばれは無しです(が、どんなゲームプレイかは表記してます)。
ちなみにトロコンまでプレイ済みです。103時間掛かりました。

ネタバレをしておくと、評価は高めです。
最高に楽しいおつかいゲー

このゲームはどんなゲームかと問われたとき、僕は「荷物を運ぶゲーム」と答えます。
だって、本当にそうなんだもの。
ただそれだけだと説明不十分なので、「荷物を運ぶ人間が大変貴重な世界観なんだよ」という補足を付け加えます。そうすると「なるほど」と言われて興味を持ってくれる人が多かったです。
ということで、このゲームでは荷物を目的地まで運ぶのがメインのゲームプレイになります。
運ぶスピードが求められたり、とにかく安全に運ぶことが要求されたり、はたまたとんでもない数の荷物を運ばされることもあります。
配送依頼を受注したら、マップを開いて現在位置と目的地を把握し、どういったルートで運ぶのかを考え、それに応じた装備を作り、さあいざ出発! というのが基本の流れになると思います。
世の中には「おつかいゲー」と皮肉が送られるゲームもありますが、このゲームに関してはそれが皮肉にはならないのです。
なぜならその「おつかいゲー」と揶揄される要素を極限までエンターテイメントにしているから。
配送中に現れる障害は地形だけではなく、人の荷物を奪ってくる「配達依存症(通称ミュール)」と呼ばれる人間達が襲い掛かってきたり、BTと呼ばれるあの世の者に襲われることもあるので、一筋縄ではいかないことが多いです。ただ、ルートを検討しなおすことで、そういった敵対した存在を避けて通ることも出来ると思います。
まだ発売前に投稿されたトレーラーのコメント欄に、海外の方が「ウォーキングシミュレーター? オーケー」とコメントを残していたことが印象に残っていますが、まさに仰るとおりで、ウォーキングシミュレーターでした。
それも、最高に楽しいウォーキングシミュレーター。
インディーズ濃度120%システム【ストランドゲーム】

このゲームは小島秀夫監督が独立して作られた「小島プロダクション」製作なので、なんとインディーズゲームになります。にも関わらずAAA級。
そしてやはり内容もインディーズで、上記した荷物を運ぶというゲームプレイからもそれが滲みでてますけど、それ以外もすごく独特で個性が強いです。例えば世界観とか、シナリオとか。
また、小島監督はこのゲームを「ストランドゲーム」と呼んでいるのですが、これがまさに他では体験できないゲームプレイではないかと思います。とにかく個性が強い。
というのも、
自分の足跡が誰かの助けになり、誰かの足跡が自分の助けになる。
そんなゲームだからです。
デスストでは、インターネット環境がある人であれば、他のプレイヤーの足跡や、建造物、または落とした配送荷物などが、実際に見えて、存在します。他の人の足跡辿って安全に配送を行なうことも出来ますし、他人が建てた建造物を使うことも出来ます。余裕があるときは、他のプレイヤーが落としてしまった配送荷物を、代わりに届けてあげることも可能です。
また反対に、自分の足跡が誰かの助けになったりもします。自分が建てた建造物を他人に使ってもらって喜ばれたり、うっかり配送できなかった荷物や装備を誰かが変わりに届けてくれたりします。
そんな親切な人がいるのかよ、と思われるかもしれませんが、マジでいます。実際僕はめちゃくちゃ助けられました。その度に僕は大量の「いいね」をそのプレイヤーに送ります。
デスストでは、NPCや他のプレイヤーから、何か喜ばれることをすると「いいね」が届きます。これが、このゲームの中で自分が何かを成した証になります。逆に自分が他のプレイヤーに「いいね」を送ることもできます。本当に助かったりしたら、限界までいいねします(建造物を使ったりすると自動で1いいねが送られますが、手動でたくさん送ることも可能)。
ちなみにクリア時の僕に送られた「いいね」の総数は約50万でした。他プレイヤーからの「いいね」は38万ぐらいだったので、知らないうちにかなり喜ばれていたようです。
小島監督は「一人だけど、一人じゃない」と言っていましたが、まさしくその通りで、たった一人で荷物を運ぶわけですけれど、いろんな人の痕跡がそこらじゅうにあるために、不思議と孤独感はありませんでした。いま歩いている場所に別の人の足跡を見つけたりすると、「やっぱここ通るんだよなぁ……」みたいな感じなって良きです。
このゲームのシナリオは世界観も相まって非常にスケールが大きな話なので、主人公に感情移入しづらい部分があるかもしれません。
ですが、こういった人助けという身近な形でプレイヤーの承認欲求を満たしてくれるのは、このデスストというゲームならでは体験だと確信を持って言えます。
本当に、他では体験できない。
まるでインディーズゲームのお手本であるかのような、唯一無二、だと思います。
シナリオはやや難解

上項でちらほら散見されるかと思いますが、シナリオや世界観がとにかく独特です。
ジャンルでいえばSFです。それもゴリゴリのSF。
どんな世界観で、どういったシナリオなのかを紹介しようにも、たとえさわりだけの場合だろうと、おそらく支離滅裂で膨大な文章になってしまいそうなので、なかなか難しいです。
それでも簡潔に言うとすると、
とある謎の災害によってバラバラになった人類を、荷物を運ぶことで再び繋ぎなおす。
というお話です。
主人公のサムは北米大陸を荷物を配送しながら徒歩で横断し、人類を繋ぎなおしていくわけです。
従ってゲームの舞台は北米大陸になるわけですが、色々とめちゃくちゃになってるので現代の面影は一切ありません。そもそも作品の舞台は22世紀ですし。
とにかく設定がSF度100%といった感じなので、理解しがたいものが多いと思います。
クリアした自分でも、「結局あれはどういうことだったのか?」ということがいくつか残っているので、あれを完全に理解しているのはおそらく小島監督自身ぐらいなんじゃかろうかと。
ユーザーである僕らは最終的に考察することで理解するしかないんじゃないかな。
とはいえ、ストーリー自体が全く理解できないかと言うと、そういうわけではありません。
なぜなら、設定は理解できなくても、キャラクターの心情は理解できるはずだから。
このゲームにはかなり特殊な設定を持ったキャラクターが多く出てきますが、ほとんどキャラクターに感情移入できると思いますし、必ず愛着が湧くものだと僕は勝手に考えています。
そして、キャラの感情さえ分かれば、ストーリーは楽しめます。
特に、ラストはびっくりするほど感動するんじゃないかと。
僕はクリアとほぼ同時にトロコン達成したため、クリアするまで103時間掛かったことになるのですが、それぐらいプレイしているとキャラクターへの愛着や思い入れが半端ではなく、ラストの1時間ぐらいはずっと泣きそうな顔でプレイしていました。
そして最後には号泣。泣き疲れました。
メッセージ性も濃く、心を鈍器で殴られたような感触が残ります。
凄まじいです、本当に。小島監督はすごい。
まとめ:小島監督はすごい&マイペースにプレイする人は特に向いてる
このゲームは巷では賛否両論(とはいえ結局は高評価寄りか?)といった感じですが、その最たる理由はおそらくゲームプレイだと思います。荷物を運ぶというプレイが単純に肌に合わない人が多いのだろうなとは感じます。
とはいえ、おつかいゲーを普段好んでプレイする人であれば、間違いなくハマるはず。
そうでなくとも、ハマる人もいます。僕が見てる配信者の方は普段おつかいゲー嫌いな人ですが、デスストは違うという発言をしていた記憶があります。
なので、一度プレイしてみるのは全然アリ。
そして是非、あの濃厚で膨大なシナリオを楽しんで欲しいと切に願います。
あのシナリオを書き、見事なまでに映像に落とし込むことができるのが、まさしく小島秀夫という才能なのだと実感するはずです。それを皆さんにも体験してほしい。
Q.最強のインディーズゲームは何か?
A.デスストランディングです。
ちなみに、小島監督は既に次回作の構想を練り始めているらしいですよ。
デスストランディング公式サイトはこちら
一番ゲーム内容や世界観が伝わりやすいPV↓
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